■……着物ブーム!
家で洗える素材の長襦袢もクリーニングしたほうが無難、
そのわけは?……■
☆最近増えてきた着物クリーニングのご依頼
最近、街で着物をお召しの方を頻繁にみかけるようになりました。
タートルネックセーターの上に、レトロな柄の銘仙という出で立ちの女性が、ウィンドウショッピングしていたり……。
観劇帰りには、ポップなドット柄の着物に、純白、極太糸で編んだポンチョをあわせた女の子……。
着物を愛する層がぐんと広くなり、着こなしも多彩になってきていますね!
着物を日常的に着る方が増えた結果、着物のクリーニングのご依頼も増えているんですよ。
先日は20代なかばくらいの女性がご来店。
「これ、お願いします!」
受付カウンターに置かれた紙袋の中には、小豆色の生地に、縞と手まりが描かれたシックな着物が。
色白のお客様には、さぞかしお似合いだったことでしょう。
お客様の話によれば、外国人が多く集まるパーティーに参加するため、知り合いのつてをたどって借りた着物だとか。
着付けは美容院に頼み、自宅で脱いだその足で、当店にいらしてくださったのでした。
絹の着物は大変デリケート。着用のたびにクリーニングするのは、あまりおすすめできません。
ただ、今回はお客様が「全部クリーニングして返す」約束で借りたもの。
脱いだらなるべく早くクリーニングに出す、その心意気やよし!
というわけで、さっそく検品に入ったのですが……。
紙袋から着物を取り出したところ、あるわあるわ!
足袋、ビニール袋にくるまれた草履、作り帯、帯締め、帯揚げ、紐、長襦袢、すそよけ、肌襦袢まで、使用済みの和装小物一式が、袋から出てきました。
☆家で洗える素材=クリーニングに出さないほうがよい?
一点一点検品していたら、お客様が「うーむ」と思案顔。
「どうかなさいましたか?」
「ええ、やっぱり長襦袢くらいは、自分で洗っちゃおうかなあって」
「そうですね……」
お品物の素材を確認しますと、水洗いのできる素材でした。
ですが、ちょっとばかり心配なことが……。
「ご自宅でも洗える素材ですね。ただ……仕上げは大変かもしれません」
「え? 仕上げ?」
お客様は、怪訝そうな顔で聞き返されました。
「はい、長襦袢などを、ご家庭のアイロン台の上で仕上げるのは、けっこう大変ではないかと……」
「ああ、なるほど、アイロンの仕上げね。ぜんぜん考えていなかったわ」
クリーニング工場には、小さな家庭用サイズのアイロンもあります。
しかし、仕上げの大半をするのは、アイロン台の大きさほどもあるプレス機など、業務用の機械です。
キレイにシワを伸ばして、いっぺんにプレス。
その後、小さなシワがあったら、小型のアイロンで部分仕上げします。
長襦袢ともなりますと、アイロンをかける面積はかなりあります。
正直、クリーニング店勤務の私ですら、しぼりジワの付いた長襦袢を家庭できれいに仕上げる自信はありません。
こういったお品物は、プロにまかせていただけると安心です。
しかし最終的に判断なさるのは、お客様ご自身。
私は衣類クリーニングのプロとして、予期されるトラブルやお客様がご苦労なさることなどを、事前にお伝えするだけです。
「うーん。借り物だし、きちんとキレイに仕上げたいから、やっぱりクリーニングをお願いするわ!」
「はい、かしこまりました。お預かりいたします」
私はホッとしました。
実際、仕上げの段階で挫折し、結局はクリーニング店に持ち込まれるお客様も少なくありません。
衣類にとって、何度も洗うことは、決してよいことではないのはご存知の通り。
今回の場合、お預かり物ということですから、余計に心配だったのです。
「そうよね〜、私ってハンカチもちゃんとアイロンかけられないのよね。四隅がきちんと揃わないんだもの。危ない、危ない!」
茶目っ気たっぷりなお客様の笑顔を見ながら、私はもう一度、胸をなでおろしたのでした。
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洗える素材の長襦袢、
洗濯機に入れる前に要検討!
アイロン仕上げ、大丈夫? |
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