■…プレスラインに一喜一憂 仕上げ担当者の呟き…■
くしゃくしゃのボトムでは、百年の恋も冷める!?
まったく毎日毎日、よく降りますねえ〜。
職業柄、通りすがりの人のファッションチェックならぬクリーニングチェックをするのが癖になってますけど、梅雨時は特にボトムに注目しちゃいます。
ゆうべ駅で見かけた女性。
メイクはばっちり決めてたけど、スカートの後ろのプリーツがすっかりとれてしまっていて、ほとんどギャザースカート状態。雨に濡れたあと、無造作に座ったせいで、プリーツがとれてしまったんでしょうね。
メイクの印象からすると、いかにもこれからデート!って気配濃厚でしたけど、あの後ろ姿じゃ、彼も興ざめしちゃいそう…。
「お嬢さん、私と一緒に工場までいらっしゃい。そのスカートをパリッとキレイに仕上げてあげるから」
なんて声をかけたくなっちゃいます。
雨に濡れたり、乾いたりを繰り返したせいでしょう。センタープレスが消えちゃったスラックスやパンツも頻繁にみかけますね。
どうしてこう、プレスが消えたボトムって、しょぼくれた、なさけな〜いムードを醸し出してしまうんでしょう? つーっと視線を上げて、かなり私好みないい男☆だったりすると、思わず
「こういうスラックスを平気ではき続けてる神経ってどうよ? 仕事できなさそうに見えて損してもいいわけ?」
とキビシク問いつめたくなったりします(苦笑)。
素人プレスは危険! 一歩間違えると衣類を台なしに
でも、もっとなさけないのは「二重になったプレス!」
家庭用のズボンプレッサーが一時期はやったときには、ずいぶんこの二重になったプレスを見かけたものです。二重どころか三重、四重になっていたり、畳のあとまでついてたりしているのは、昔ながらの寝押し仕上げでしょう。
身だしなみを整えるために、わざわざご家庭でプレスしなおした、その心意気やよし! ですが、せっかくのプレスしても肝心のラインがずれてしまっては「お間抜けな印象」をアピールするばかり。
しかも一旦ついたプレスラインはそう簡単にはとれませんから、ますます厄介です。
実は、スラックスやスカートのプレス作業は、熟練の職人ですら目つきが変わる難しい仕事なんです。
生地をたたんで専用プレス機にかけるだけ、というシンプルな作業とはいえ、衣類のサイズ、デザイン等によって、たたみ方やプレス機に配置すべき位置も微妙に変わってきます。
ちょっと判断をあやまると、すぐにラインがずれて台無しに!
そうなると、せっかくシミをばっちり抜いてキレイに洗い上げてくれた工場のほかの仲間の努力を無にすることになるわけで…。私たち仕上げ担当者の責任はとっても重大。
そんなプレッシャーをひしひしと感じつつ、一球入魂ならぬ「一押し入魂!」で、あのシャープなラインを決めているのです。プロが専用器具を使っても神経を使う工程ですもの、ご家庭でうまくいかないのは当然なのです。
特にお客様がご家庭でつけたラインがずれていた場合。工場では、元の線を消して中心を揃えなおしてプレスすることになるんですが、どうやっても元の線が消えないことが往々にしてあるんですね。プロの意地にかけても、二本線にしてお返しするわけにはいきません。やむを得ず、元のずれた線にあわせてプレスしてお返しすることになるのですが…こういうのって、ほんと無念です。「曲がったラインなんか大嫌いだ〜っ!」
と、海に向かって叫びたい気分…。
ともあれ、雨にふられてプレスがとれたときは、迷わずにクリーニングへお出しください。ゆめゆめ、ズボンプレッサーや寝押し等で二重三重にラインをおつけになりませんように。心からのお願いです。
クリーニングに出していただいた暁には、私たち仕上げ担当者が、プロの誇りにかけて入魂のプレスラインをキリッ!と決めさせていただきます!
なお、ご依頼の際は「撥水加工で」と一言添えてくださいね。通気性はそのままに、雨をはじいてセンタープレスがぐんと長持ちし、泥はね等の汚れも防げます。
梅雨どきのボトムをパリッ!とキレイに保つ一番手軽な方法ですよ。
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将来の 出世度はかる プレスかな
梅雨時の お出かけ着にぜひ 撥水加工 |
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