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■…「ボタン戦争」の春も、今は昔…■
至上命令(旧)! 高級ボタンを死守せよ!
入学式、入社式、歓迎会に結婚式等、華やかなセレモニーが目白押しの4月をすぎると、工場にはオーダーメイド系の高級ワイシャツやブラウスが次々と運び込まれます。
こうしたアイテムのボタンは、繊細な貝ボタンだったり、こったデザイン、材質のものがほとんど。
高級ボタンほど熱や衝撃に弱いので、乾燥や仕上げのプロセスで割れたりしては一大事!
かつては担当者一同、戦々恐々としていたものです。
「この材質のボタンは熱に弱いから、アルミホイルでひとつずつくるんでから乾燥機に入れてね」
なんて指示だしは、しょっちゅうでした。
ブラウス1枚に10個近くついてるボタンを、ひとつひとつアルミホイルでくるんで、最後ははがして…って手間が毎日数十〜100枚単位で増えるんですから、まるでそれは賽の河原。
アルミホイルの無限地獄状態でございました。
ああ、思い返すだけでもクラクラッとめまいがしてきます〜。
また、喜久屋の工場には、ボタン破損事故に備えて、各アパレルメーカーさんと連携して集めたボタン見本帳があるんですが、
「この○○ブランドのブラウスの飾りボタン、材質が何かわかりますか?」
「ボタン見本帳にもないタイプ? それならメーカーさんに問い合わせるからちょっと待って〜」
なんて調子で、連絡待ちで作業ストップ、なんてことも多かったんですよ。
4月後半から5月にかけての工場は、まさに「ボタン戦争」。
いつもは和やかな工場内に、ちょっと殺気立った独特のムードが漂う、少々憂鬱なシーズンでした。
至上命令(新)! 静止乾燥機をフル活用せよ!
でも今は、
♪そんな〜時代も〜あ〜ったねと〜♪
なんて鼻歌がでちゃうくらい、喜久屋の春は、おだやかにすぎていきます。
その秘密は「静止乾燥機」にあり!
かつては喜久屋の工場では、タンブリング型乾燥機を使っていました。
家庭用の乾燥機の業務用みたいなタイプで、今なおたいていの業者はこのタイプを使っています。
大型のドラムのなかで熱風をあてながら、がらんごろんと衣類を転がすわけですから、繊細な衣類やボタンへのダメージは相当なもの。
工場のスタッフは、タンブリングでのダメージを防ぐために、ボタンをアルミホイルでいちいちくるむ、みたいな手間暇をかけていたってわけですね。
そんな「ボタン戦争」の無理、無駄、ムラの合理化にのりだした社長が、業界内でもいち早く、最新の「静止乾燥機」を採用してくれました。
「静止乾燥機」はボックス内のハンガーに衣類をかけ、温風をおくって乾燥させるしくみ。
浴室乾燥機の大型版みたいなイメージでしょうか。
このタイプなら、乾燥過程で余計な摩擦、衝撃が加わることがないので、ボタンが破損する心配がありません。
アルミホイルでボタンをくるむ必要がなくなったのです。
しかも、セーターや化繊の衣類などは乾燥過程で縮むおそれがなくなったばかりか、しわものびてアイロン仕上げの手間もぐんと楽になったんです。
まさにいいことづくめ!
工場スタッフにとって「静止乾燥機」は救世主となりました。
とはいえ、「静止乾燥機」の普及率は残念ながらまだまだ低いのです。
繊細でこったデザインのボタンを使った衣類をクリーニングに出すときは、お店に
「乾燥機はタンブリングですか? だったら自然乾燥でお願いします」
って、事前にリクエストしておけば、安心ですよ。
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